生活介助を行う介護職の仕事において、特に食事介助は重要なポジションを占めます。食べることは、ただ栄養を摂取するだけでなく、心にも喜びを与え、人生の楽しみのひとつでもあるからです。
したがって介護職として介助する際、食事介助の知識や技術を知り、新しい情報を積極的に吸収する姿勢を持つことが重要です。
食事介助をするにあたってまず必要なのが、利用者の現状をよく把握することです。
特に介護を必要とする利用者は、身体が不自由なケースが多いため、どこまで自力で食事ができるのかをあらかじめモニタリングしておくことが必須です。
その際に、利用者個人の希望を把握することも求められます。一方的に介助を行うのではなく、利用者と対等な視線でコミュニケーションを取り、食べる意欲を引き出すように心がけることが肝心です。
もし利用者が自力で食事ができない場合でも、なるべく自力摂取できるように工夫して、食事環境を整えていくことが求められます。
例えば、握力の低下や関節の拘縮などによって、箸やスプーンが上手に持てないのであれば、自助具などを取り入れて、スムーズな食事の実現を目指すといいでしょう。また食事の姿勢についても、できるだけテーブルチェアや車椅子へ移動して、座位で食事摂取するようにします。こうすることで誤嚥防止に役立つだけでなく、人間らしい生活環境を保つことができます。
また、楽しい雰囲気で食事ができるようにすることも、利用者の人間らしい生活環境を保つには必要です。具体的には、家族や知人といった長年顔見知りの人々と一緒に食事をする機会を設けたり、四季の移り変わりが見えるような位置で食事をするなどの方法があります。